生まれたばかりの赤ちゃんの”新生児黄疸”の秘密
産まれて2〜3日くらい経つと出る「新生児黄疸」とは一体何なのでしょう?言葉はよく耳にしても、実際どんな原因でどのように現れるのか知らないお母さんも多いかもしれませんね。
黄疸とは、簡単に言うと皮膚が黄色っぽくなる症状で、血液中の赤血球に深く関わりがあります。胎児のうちは血液中の赤血球の数が非常に多い状態ですが、産まれて外に出てくることで赤血球の寿命が短くなり、破壊されやすくなります。
そうなると今度は、血液中の”ビリルビン”という物質の分泌が盛んになります。胎児の間はもちろん肺呼吸はできないので、へその緒を通して酸素補給をしていますよね。
へその緒経由で酸素を確保するには、赤血球がたくさん必要なのです。
赤血球にはヘモグロビンという赤い色素が含まれているので、赤血球の多い産まれたての赤ちゃんの体は赤っぽい色をしています。(これが「赤ちゃん」と呼ばれる理由なのです!)
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産まれてからはへその緒経由の呼吸ではなく、肺呼吸に切り替わるので赤血球は今までより少ない数でよくなるため減少し、その代わりにビリルビンという物質が大量に分泌されてくるのです。
このビリルビンという物質が多くなることで、皮膚の色が赤から黄色っぽく変化していくことを「黄疸」と言うのです。ですから、どんな赤ちゃんでも産まれてすぐは黄疸が出るということになります。
基本的には生理現象なのでしばらくすると落ち着いてきますが、中にはビリルビンの値が多すぎて黄疸が長引くこともあるようです。長引くよりも、産まれてすぐに出る黄疸の方が治療がしずらいとも言われています。
黄疸はどれくらいで治まるの?
赤ちゃんが産まれて2〜3日が経過すると、徐々に肌の色が赤から黄色に変わり始めます。だいたい1週間〜10日くらいで、一般的な肌色に落ち着いてくることが多いでしょう。
長引いてしまう赤ちゃんでも、3週間〜4週間で徐々に良くなれば大丈夫。
もちろん入院中に医師がしっかり診察して対応を考えてくれますので、主治医の指示に従いましょう。
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黄疸が強く出ている場合、光線療法などを用いて治療をすることになります。
場合によっては赤ちゃんの入院が長引いてしまうこともあります。
入院中に黄疸が治まっても、時にまた肌の黄色味が強くなることがあります。退院して自宅で育児を始めてから肌の色に変化があった場合は産婦人科や小児科に相談して下さい。
完全母乳の赤ちゃんは出やすい?
入院中から母乳がしっかり分泌され、完全母乳での育児ができている場合赤ちゃんに黄疸が出やすい、長引きやすいという傾向にあります。これは、母乳が血液から作られているのが原因です。
完全母乳が推奨されることも多いですが、黄疸が強い場合はミルクを足すように指導されることもあります。自己判断せず主治医の指示に従いましょう。
自宅に帰ってからも黄疸が続いている赤ちゃんは、なるべく陽の当たる場所に寝かせて光線療法を行うとよいとされています。
カーテン越しによく陽が当たる場所に寝かせるようにし、母乳とミルクのバランスなども医師からの指示を守って下さいね。
母乳性の黄疸が続いても、決してお母さんのせいではありませんので悲観しないように。
黄疸はそもそもが生理現象ですし、母乳がしっかり出ることは喜ばしい事ですのでおっぱいのケアはしっかりやっておきましょう。ミルクを足すのは決して悪いことではありません
また黄疸の強さや期間と、その後の発育には関連性はありません。黄疸が強く出たり長引いたからと言って病気がちな子になったり、発育が遅くなったりすることはありませんので大らかに構えて下さいね。
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