ザックリわかりやすく!出生前診断の種類・概要・受ける時期
近年、高齢出産が増えてきたことで出生前に胎児にダウン症等の染色体異常がないか調べる人が増えています。
病院の待合にも出生前診断に関する資料が置かれていることが多いですよね。
出生前診断は、誰でも受けられるものもあれば条件に当てはまる場合にのみ受けれるものもあります。
妊婦さんの年齢や過去の妊娠出産経験をみた上で受けることを勧めたり、検査の事を教えてくれることもあるようです。
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出生前診断の種類と受診時期
出生前診断には『非確定検査』と『確定検査』があり、基本的にカウンセリングを経てから行われます。
出生前診断の種類と受診時期をまとめると下記のようになります。
【非確定検査】
- 初期胎児ドッグ 妊娠11〜13週
- 中期胎児ドッグ 妊娠18〜20週
- 母体血清マーカーテスト 妊娠15〜20週
- 母体血胎児染色体検査(NIPT) 妊娠10週以降
【確定検査】
- 絨毛検査 妊娠11-14週
- 羊水検査 妊娠15〜16週以降
※ 胎児ドッグは胎児スクリーニング検査とも呼ばれることがあります。
次に出生前診断を受けて先天性の病気や染色体異常の可能性が高いとわかった時や出生前診断を受けること自体のメリットデメリットやリスクについて考えてみましょう。
【メリット】
- 出生前に心の準備もしくは中絶を含めた選択肢についても考えることが出来る
- 病気について勉強しておける
- 生後必要なものの準備やお世話のやり方の練習や金銭問題について考える時間ができる
【デメリット】
- 出生前診断を受けることで、胎児に異常があったことに悩みすぎる
【リスク】
- 絨毛検査と羊水検査は流産してしまう可能性があり、その確率は約0.3〜0.5%といわれている
- 検査後に出血や破水、腹膜炎などの合併症を起こすことがある
最後に注意点についてまとめました。
【注意点】
- 胎児に見られる異常のうち、染色体異常の割合は約25%といわれています。
- 確定検査であっても全ての胎児異常が明らかになるわけではない、ということも考えて受けるかどうか判断する必要があります。
- 基本的に中絶を選択する場合、確定検査(羊水検査・絨毛検査)を受けて、障害があることが確定してからになります。
以上、おおまかにですが出生前診断について書きました。
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基本的に異常が見つかればカウンセリングを受けて次の検査に進むかどうかの選択をするという流れになります。
最短では妊娠11週頃初期ドッグを受けて、染色体異常の確率を告げられた後、その日のうちに医師と夫婦で絨毛検査に関するカウンセリングを行い絨毛検査を受け、数日以内には絨毛検査の結果に対するカウンセリングを医師と夫婦で行うということもあります。
また、確定検査を受けてダウン症等の染色体異常が確定した場合、97%のお母さんが中絶を選択するというデータがあります。
非確定検査
<初期胎児ドッグ 妊娠11〜13週>
実施している病院で希望すれば誰でも受けることができます。
通常の健診よりも詳しいエコーチェックという感じなので『赤ちゃんに先天性の病気があるのかどうか不安だけど、本格的な検査はちょっと・・・』
といった場合にも受けることができます。
胎児ドッグは下記の点に注意して病院を選びましょう。
- 遺伝子専門のカウンセラーのカウンセリングを受けられる
- FMF資格※を持つ医師が行っている
特に、カウンセリングの有無は重要だと思います。
通常の妊婦健診でも、お母さんと赤ちゃんに基本的な異常がないかを診ていますが、
胎児ドックは染色体異常の特徴が見られるどうかを超音波(エコー)などで詳しくチェックする検査で通常の健診よりも時間がかかります。
初期胎児ドックでは、超音波エコーで『うなじのむくみ・鼻骨形成不全・静脈管逆流・三尖弁逆流・脈拍』などを確認します。
※ FMF資格は、イギリスの団体が行っている認定資格です。簡単にいうと胎児エコーのスペシャリストです。有資格者は、ダウン症の特徴である『うなじのむくみ』部分の正確な計測が可能であり、その他の計測部についても正確な計測方法で行うことができます。
<中期胎児ドッグ 妊娠18〜20週>
中期胎児ドックでは、赤ちゃんの組織のほとんどができているので『脳・内臓・骨などから羊水量や血液の流れ』などのかなり細かい部分まで確認します。
<母体血清マーカーテスト 妊娠15〜20週>
母体の血液を採って、胎児に染色体異常がないかどうか調べる検査で、こちらも希望すれば誰でも受けることができます。
21トリソミー(ダウン症)、18トリソミー、神経管欠損などの可能性を持っていないかを確認します。
採取した母親の血液から胎児の体で生成されるホルモンの濃度を調べます。
ダウン症に関してはお母さんの年齢も考慮されるようです。
検査で調べる血液中の成分が3種類『トリプルテスト』・4種類『クワトロテスト』といいます。
<母体血胎児染色体検査(NIPT) 妊娠10週以降>
最近よく耳にする『新型出生前診断』はこの検査の事です。
母体の血液を採って、胎児に染色体異常がないかどうか調べる検査です。
21トリソミー(ダウン症)、18トリソミー、13トリソミー異常の可能性がないか確認します。
新型出生前診断を受けるには、下記の条件のいずれかを満たしていなければならないことになっています。
日本産科婦人科学会『母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査に関する指針』(http://www.jsog.or.jp/news/2013.html 2013年3月11日更新のPDF) 5P より引用
1. 胎児超音波検査で、胎児が染色体数的異常を有する可能性が示唆された者。
2. 母体血清マーカー検査で、胎児が染色体数的異常を有する可能性が示唆された者。
3. 染色体数的異常を有する児を妊娠した既往のある者。
4. 高齢妊娠の者。
5. 両親のいずれかが均衡型ロバートソン転座を有していて、胎児が 13 トリソミーまたは 21 トリソミーとなる可能性が示唆される者。
(赤字引用者)
5に該当する方はかなり少ないはずです。
1、2、4のいずれかの条件を満たした上で新型出生前診断を受ける方が多いようです。
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確定検査
<絨毛検査 妊娠11-14週>
絨毛検査は赤ちゃんの胎盤ができる前の『絨毛(じゅうもう)』を採取し、染色体や遺伝子の検査をします。絨毛ができる位置によっては検査が難しい場合があります。
【メリット】
- 絨毛は赤ちゃんの空間の外側にあるので採取の時に羊膜に穴があくことはなく、また赤ちゃんが動き回っていても赤ちゃんに針が当たることはない 。
- 早い時期(10週〜14週)に行われるため、心理的な負担が少ない。
【リスク】
- 採取の際に母親の細胞が付着してしまう可能性がある。
- 検査後の流産確率は1/300程度と考えられており、羊水検査とほぼ同等と考えられている。
絨毛の採取方法は、子宮の入り口にチューブを入れて絨毛を取る経頚管法とお母さんのお腹に針を刺して絨毛を取る経腹法がありますが、
経頚管法は採取失敗による複数回の施行・出血・流産・胎児喪失などのリスクが経腹法にくらべて、かなり高いといわれており、世界的には経腹法が行われています。
<羊水検査 妊娠15〜16週以降>
お母さんのお腹に針を刺し、採取した羊水中の胎児細胞の染色体を調べる検査です。
【メリット】
- 赤ちゃんの空間内から採取するので、お母さんの細胞と混ざることがない。
【リスク】
- 羊膜に穴をあけて赤ちゃんの空間に針を侵入させるため赤ちゃんに針が刺さらないとは限らない。
- 絨毛検査と比べ遅い時期(16週〜19週)に行われ、検査の結果に時間がかかるため心理的な負担が多い。
- 検査後の流産確率は1/300程度と考えられており、絨毛検査とほぼ同等と考えられている。
出生前診断まとめ
どんな親でも産まれてくる赤ちゃんの健康を願っています。
出生前診断を受けるかどうかは個人の自由ですが、検査を受ける場合どうしても母親側に精神的・肉体的負担がかかってしまいます。
受ける前に夫婦でしっかりと話し合い後悔のない選択をしましょう。
こちらは双子ママが自身の体験談を紹介している姉妹サイト双子の妊娠・出産から育児まで!双子ママのあれこれ体験まとめになりますが、大阪市のクリフム夫律子マタニティクリニックで出生前診断を3回(長女と双子)受けており、検査の流れや費用、カウンセリング結果などについても詳しく紹介してくれていますので興味がありましたらご覧ください♪
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